大屋, 一弘 鎮西, 忠茂 Oya, Kazuhiro Chinzei, Tadashige
沖縄島土壌の肥沃度特性を把握し, 肥沃度管理上の土壌グループ設定を行なうために実験を行なった。沖縄島に設定されている18土壌統(うち伊豆味統を除く)の耕土のサンプルを多数採取し, そのpHCEC, 置換性塩基(Ca, Mg, K)含量, 可給態りん酸含量, および可溶性微量元素(Mn, Fe, Cu)などを分析測定したが, これらの測定項目のうちpH, CEC, 置換性カリ, 可給態りん酸などを肥沃度指標として選び各土壌肥沃度の相対的等級付けを行なった。肥沃度等級付けには各土壌の水分状態も考慮に入れたこの等級付けに従い類似等級の土壌をまとめて肥沃度管理上の土壌グループとした。その結果沖縄島には5つの肥沃度グループを設定することが適当であると思料された。すなわち肥沃度グループIに属するものには伊集統, 小那覇統, 安慶田統, 稲嶺統土壌など, グループIIには並里統B, 糸洲統, 摩文仁統, 並里統A土壌などグループIIIには安田統, 中川統, 具志堅, 屋名座統土壌など, グループIVには東統, (伊豆味統), 奥統, 名護統土壌など, グループVには屋部統, 志喜屋統土壌などである。グループ番号は肥沃度の順位とは関係なく付けられたが, それぞれのグループの肥沃度特性に従い適当な施肥管理をすることが望まれる。