小橋川, 寛 大城, 実 新里, 紹正 比嘉, 徳政 外間, 政太郎 宮城, 勇 香村, 千恵子 Kobashigawa, Hiroshi Oshiro, Minori Shinzato, Shousei Higa, Tokumasa Hokama, Seitarou Miyagi, Isamu Kamura, Chieko
この調査は,沖縄本島を中心とした,小学校,中学校,高等学校の児童生徒の運動能力と運動素質の実態が,年令によってどのように発達し,変化するものであるかを知ると同時に,性による差異,全国学徒との相異を調査して学習指導上の科学的基礎資料を得るためのもので,種目は50m疾走,立巾跳,ソフトボール投,懸垂,垂直跳,敏捷性テストの6種目である。これを小学校1,825人,中学校2,192人,高等学校2,624人に対し,1956年4月より1958年5月に\n至る3年間,各年次を追うて小,中,高校の順に測定を実施して次のような結果を得た。\n1.男子は本調査の何れの境目においても,常に女子に優っている。\n2.運動能力の年間発達の旺盛な時期は,男子においては,13才~15才間の背年期である。\n3.女子運動能力の年間発達の旺盛な時期は,児童期であるが,12才~14才頃は年間発達の減退する時期である。\n4.本調査の測定種目においては,12才頃から性差は著しくなる。\n5. 男女とも,各年次を通じ,50m疾走,立巾跳,ソフトボール投の各沖縄平均は,全国平均に劣っているが,中でも50m疾走は,男女とも最も劣っているといえよう。\n6.男子垂直跳は,全国平均水準にあるものといえよう。