徐, 小牛 渡嘉敷, 義浩 榎木, 勉 平田, 永二 Xu, Xiaoniu Tokashiki, Yoshihiro Enoki, Tsutomu Hirata, Eiji
沖縄本島北部の天然生常緑広葉樹林における地表(A_0層)に集積する有機物および養分について,22プロットでリターを採取(1996年7月∿8月)して測定した結果,およそ次のことが明らかとなった。1. A_0層の有機物集積量は,12Mg ha^<-1>で,その内,有機炭素が6Mg ha^<-1>を占めた。2. A_0層中の養分集積量は, 全窒素が84.1∿258.5kg ha^<-1>, リンが1.7∿10.4kg ha^<-1>, カリウムが9.0∿37.0kg ha^<-1>, カルシウムが60.0∿230.3kg ha^<-1>, マグネシウムが15.0∿29.7kg ha^<-1>, ナトリウムが1.9∿15.9kg ha^<-1>, いおうが8.78∿20.1kg ha^<-1>, アルミニウムが17.8∿132.5kg ha^<-1>, 鉄が5.3∿77.0kg ha^<-1>, マンガンが2.0∿16.9kg ha^<-1>で,微量元素の銅,亜鉛,ほう素,モリブデン,コバルトは極めて少ないことがわかった。3. 各元素の集積量と有機物集積量の関係について検討した結果,炭素,窒素,リン,カリウム,カルシウム,マグネシウム,いおう,ナトリウム,アルミニウムおよび亜鉛の10元素に0.51∿0.94のかなり高い相関(P<0.05,t-test)が認められた。4. 土壌型は,有機物集積量及び養分集積量への影響が大きく,弱乾性黄色土(Y_c)よりも,乾性黄色土(Y_B)の方が多くなることが明らかとなった。