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分散表現を利用した日本語歴史コーパスにおける語義曖昧性解消の通時適応
古宮, 嘉那子 田邊, 絢 新納, 浩幸 KOMIYA, Kanako TANABE, Aya SHINNOU, Hiroyuki
語義タグ付きコーパスを用いた現代日本語の語義曖昧性解消の研究は数多い。しかし,入手可能なタグ付きコーパスが少ないため,日本語の古典語の語義曖昧性解消を高性能に行うことは難しい。そのため,現代日本語文を用いて通時的な領域適応を行うことは,古典語の語義曖昧性解消の性能を高めるひとつの解決方法であると考えられる。本研究では,日本語の古典語の語義曖昧性解消において,領域適応手法のひとつである,分散表現のfine-tuningの効果について調べる。現代文の分散表現であるNWJC2vecの古典語によるfine-tuningや,古典語によって作成した分散表現の現代文によるfine-tuningなど,様々なfine-tuningのシナリオを検証した。さらに,NWJC2vecを古典語でfine-tuningする際には,時代順に段階的に分散表現をfine-tuningする手法についても試した。語義曖昧性解消の対象語の前後二語ずつの単語の分散表現を素性とし,Support Vector Machineの分類器に用いて分類を行った。シナリオは(1)現代文のコーパスの全用例と古典語のコーパスの用例8割を訓練事例とし,残りの2割の古典語の用例をテストとして利用する場合,(2)古典語の用例だけを利用して五分割交差検定を行った場合,(3)現代文のコーパスの全用例を訓練事例とし,古典語全用例をテストする場合の三通りを比較した。最高の精度となったのは,(2)古典語の用例だけを利用したシナリオで,古典語によって作成した分散表現に現代文によるfine-tuningを行った場合であった。
古典原本のイメージノイズ除去に関する一考察
原, 正一郎 HARA, SHOICHIRO
古典原本の電子化の障害となるイメージ雑音除去アルゴリズムの研究を行った。本研究の特色はカラー情報を利用した点にある。研究資料として白色系の和紙に黒色系の墨で書かれた古典原本を用い、イメージ処理として「朱文字」と「裏写り」の除去を試みた。研究成果の概要は以下の通りである。
書物で見る 日本古典文学史
落合, 博志 神作, 研一 恋田, 知子 金子, 馨 OCHIAI, Hiroshi KANSAKU, Ken'ichi KOIDA, Tomoko KANEKO, Kaoru
国文学研究資料館では、上代から近代(明治時代初期)までの文学を書物(古典籍)によってたどる、通常展示「書物で見る日本古典文学史」を毎年開催しています。本冊子はその展示の概要を収録したもので、教科書でなじみの深い作品を中心に据えて、文学史の流れを示しました。ささやかながら、日本古典文学の豊かな世界への手引きとなることを願っています。
中国における日本古典文学研究の現状及び動向
張, 龍妹
本稿では、中国で行われている「中国日本学研究『カシオ杯』優秀修士論文賞」の受賞作と中国の各大学に提出された博士論文から、大学院における古典文学研究の一斑を紹介する。さらに、中国で唯一の日本研究に関する専門誌『日語学習与研究』に発表された論文と国家社会科学基金の助成を受けた研究プロジェクトの内容を分析する。それらに基づき、中国における日本古典文学研究の現状と動向を把握したい。
芭蕉俳論における物
李, 栄九
日本の古典詩歌では、伝統的に「心」と「詞」を最も基本的な要素としていた。
和歌代作論
松村, 雄二 MATSUMURA, Yuji
古典和歌の世界に多く見られる代作歌という現象について、主要なものを例示しながら、次のような問題点と考え方を提示した。
上海図書館の古典籍の収蔵および整理について
陳, 先行 陳, 捷 CHEN, XIANXING CHEN, Jie
上海図書館は、数多くの貴重な古典籍と古文書とを収蔵する世界トップ10に位置する公立図書館である。本稿は上海図書館の古典籍コレクションの歴史、現状と蔵書の特徴を説明し、これらの古典籍に対する整理、保護、および研究について紹介する。
和書のさまざま――国文学研究資料館通常展示図録(2018年版)――
国文学研究資料館 National Institute of Japanese Literature
和書すなわち日本の古典籍は、千二百年以上に及ぶ長い歴史を持ち、その種類の多様さと現存する点数の多さは世界的にも稀です。
和書のさまざま――国文学研究資料館通常展示図録(2017年版)――
国文学研究資料館 National, Institute of Japanese Literature
和書すなわち日本の古典籍は、千二百年以上に及ぶ長い歴史を持ち、その種類の多様さと現存する点数の多さは世界的にも稀です。
日本古典文学作品本文データベースの開発とデータ記述文法について
安永, 尚志 YASUNAGA, Hisashi
日本古典文学作品の校訂本による本文データベースを作成している。本文データベースは全文(フルテキスト)をデータベースとして定義するものである。全文には校訂に伴う各種情報が付加される。また、作品はそれ自体を記述する本文情報に加え、多くの属性情報を持ち、かつ作品特有の構造を持つ。
中国語訳『源氏物語』の実態と問題――「桐壺」を中心に――
張, 培華 Zhang, Peihua
日本で古典中の古典と言われている『源氏物語』は、世界文学の名著として、英語、フランス語、ドイツ語、中国語などの多くの外国語に翻訳されている。しかも同じ言語の中でも様々な訳者の新たな翻訳が出版されている。そのうち、翻訳の種類が最も多いのは中国語である。現時点で見られる四種類の英語訳より、倍以上となる十数種類の中国語訳が見える。周知の如く、中国経済発展のおかげで、中国の書籍の装丁も以前より良くなっている。しかし、翻訳の中身はいかがであろう。続々と出版された新たな翻訳はどういうものなのか。
観相から見る日本文学史の試み 序説 ――特設コーナー展示資料解説から――
相田, 満 高野, 純子 AIDA, Mitsuru TAKANO, Junko
国文学研究資料館通常展示「書物で見る日本古典文学史」の一角に設置している特設コーナーにて、平成二十六年一月二十一日から三月十日の間、本稿標題に掲げるテーマで観相に関する資料を紹介した。
俳諧の確立と『荘子』 : 日本詩歌古典重視の伝統の観点からの分析
丘, 培培
江戸時代の俳諧と『荘子』との深い関わりは早くから研究者たちの関心をよんだが、その理由解明について、まだ解けていない謎が残っている。なぜ十七世紀の日本の俳人たちは千年以上も前に他の国で作られた、文学作品でもない『荘子』という本に、俳諧の本意を見つけようとしたのか。本稿は、その謎を日本詩歌の古典重要視の伝統に探る。
菅原道真詩文における"残菊"をめぐって : 日中比較の視角から
高, 兵兵
「残菊」は、中国唐代以来詩に詠まれていた題材であるが、日本ではそれをはじめて詩に詠んだのは、菅原道真である。しかも、中国の古典詩では「残菊」はあまり取りあげられなかったのに対して、日本では菅原道真をはじめとする漢詩人たちによって積極的に取りあげられていたようである。
寛政~文政期の書物編纂と序跋
山田, 直子 YAMADA, NAOKO
寛政〜文政期の書物編纂に見られる特徴は古典文献(一次資料)を割裂し、事項、綱文等の見出しのもとに配列、再編成していることだが、これを文献整理の手法ととらえ「二次資料化」という観点から考察した。具体的には屋代弘賢『参考伊勢物語』、『古今要覧稿』、堀田正敦『水月文藻』等の序跋を検討した。
立川の研究者たち 国文学研究資料館編 ――インタビューで知る「国文研」の人と仕事――
人間文化研究機構国文学研究資料館 有限会社えくてびあん National, Institute of Japanese Literature ECOUTEZBIEN, Lmd.
国文学研究資料館(以下、「国文研」)は、今なお日本各地に残されている国文学に関連する古典籍(明治以前に著作、出版された本)の調査とマイクロフィルムによる収集・保存を行い、それを活用して全国の大学の研究者と共同で日本古典文学研究を推進することを目的とする、大学共同利用機関です。
『日本語歴史コーパス(CHJ)』の教育利用の実践報告 : 高校の古典の授業における活用例
宮城, 信 江口, 遼至 EGUCHI, Ryoji
本稿は、日本語歴史コーパス(CHJ)を活用した学校現場での実践報告である。CHJを学校現場で利用するためには、様々な制約がある。一方でCHJの教育利用は始まったばかりであり、電子教科書の普及や教室でのインターネット環境の整備が進みつつある現在、CHJは質的量的に見ても教材・資料としての価値は高く、今後様々な場面での活用が期待される言語資源である。ここでは高等学校でCHJを活用した古典の授業の実践報告を行い、その利点と今後の課題について言及する。
<研究論文>法隆寺薬師仏光背銘新論
頼, 衍宏
法隆寺金堂に珍蔵されている「銅像薬師如来坐像」という国宝の光背銘は、日本の国語学ないし古典文学の領域で重要な位置を占めている。その文体について、現代の有力説では和文とされている。一方で、「正格の漢文」という波戸岡旭の説もある。ここでは、この少数説を支持して、訓詁・音韻・修辞という三つの側面から検証した。
伊勢物語のかがやき――鉄心斎文庫の世界―― 第1章 名品
山本, 登朗
古くから多くの人に愛され、楽しんで読まれてきた『伊勢物語』だが、平安時代の写本は、娯楽の対象と見なされ保存されなかったためか、残っていない。鎌倉時代になると、『伊勢物語』は、和歌をよむための典拠、つまり研究の対象となる古典文学へと姿を変えていった。そのため、重要な写本は大切に残されるようになった。
『日本語歴史コーパス』のための書籍活字の電子化 : 小学館新全集『今昔物語集』を事例として
須永, 哲矢 堤, 智昭 SUNAGA, Tetsuya TSUTSUMI, Tomoaki
国立国語研究所で計画されている『日本語歴史コーパス』の構築にあたっては活字書籍化された古典資料のコーパス化を基本とし,その際には国内規格JIS X0213文字集合を用いて活字を電子化することが予定されている。本稿ではJIS X0213を古典資料の活字書籍に適用した場合の効果を検証するため,小学館新全集『今昔物語集』での漢字活字を調査し,のべ字数にして99.86%の活字がJIS X0213でカバーできることを明らかにし,JIS X0213の有効性を確認した。また,JIS X0213では表現できない活字に関しては,コーパスとしての利便性を鑑み,「〓」表示せずJIS X0213の範囲内の別字で代用しつつ,原資料での字形の情報を保持する方針を考案した。別字代用によりほぼ9割の外字は解消されるが,「〓」表示を完全になくすためには,文字レベルではなく,語の表記というレベルでの代用を考えなければならなくなる。末尾には小学館新全集『今昔物語集』で代用処理の対象となる特殊活字の一覧を付した。
欧米における日本中世文学の研究と紹介
福田, 秀一 HUKUDA, Hideichi
欧米における日本文学の研究や紹介(翻訳等)の状況を見ると、いわゆる古典文学の分野では、中世文学に対する関心がかなり強いように見受けられる。今回はそれについての若干の統計やデータを示した上で、欧米において日本の中世文学がどのように研究・紹介されているか、多少の解説と考察を試みた。特に、日本文学の時代区分に「中世」の語を用いているものが少いことは注意される。
江戸堂上派和歌資料考 ―亨弁と石野広通―
松野, 陽一 MATSUNO, Yoichi
江戸堂上派武家歌壇資料の紹介整備に関しては従来とも意を用いてきたが、学統図『関東歌道系伝』の二条系、冷泉系それぞれの最有力歌人たる亨弁、石野広通については、『江戸堂上派歌人資料 習古庵亨辧著作集』(新典社 昭55。以下『著作集』と略称)、『霞関集』(古典文 庫昭57)の両解題に補訂の必要が生じてきているので、その後管見に入ったところを報告しておきたい。
古典資料・古文書の展示におけるAR技術の利用 ――《古典AR》の紹介――
北村, 啓子 KITAMURA, Keiko
長年当館デジタル展示を開発してきた。当初は高精細モニタを使い原本を展示スペースの制約で見せられない箇所の原本を補完することを目的とし、古典資料らしい見せ方を追求してきた。高密度ディスプレイ技術によりモニタの再現性が格段に向上し、可逆圧縮形式の画像を使うことによりさらに原本画像の品質・美しさを活かせるようになった。最近の画像認識技術の向上を背景に拡張現実(AR: Augmented Reality)技術が登場した。ARマッチングによりデジタル情報へアクセスする技術を利用し、原本とデジタル画像との境界なく原本の鑑賞をより豊かにすることを実現しようと考えた。本稿では、AR技術を利用したデジタル単眼鏡(ギャラリースコープ)をはじめ新しいデジタル展示のアイデアと具体的に当館展示のために開発・運用してきたデジタルコンテンツを紹介する。
畑中荷沢書誌〈華字著作編〉 ―附、〈翻刻〉『滕太問答』―
松野, 陽一 MATSUNO, Yoichi
仙台藩の儒者畑中荷沢の漢文著作の書誌解題である。荷沢(通称多沖、名盛雄)は和漢兼作の人であり、近世中期の同藩の公的文業としての和文古典(源氏物語、勅撰和歌集、釈教歌)の注疏に成果を残している。その和文著作について別稿を作成(片野達郎編『日本文芸思潮論』平成3.3、角川書店所収)したが、その姉妹編として私的活動の所産である漢文著作について作成した書誌が本稿である。
〈共同研究プロジェクト紹介〉通時コーパスの設計 日本語通時コーパスの設計について
近藤, 泰弘 KONDO, Yasuhiro
国立国語研究所共同研究プロジェクト(基幹型)「通時コーパスの設計」では,日本語の史的研究に用いることができる本格的な「通時コーパス」を構築する準備段階として,コーパスの設計にかかわる諸問題について研究している。その中で,「選定した資料をどのように電子化しどのような情報(アノテーション)を付与するか」「古典テキストに対応した形態素解析等をどのように行うか」など,通時コーパス設計のための重要問題を中心に,基礎的な研究を展開している。
周作人訳『枕草子』の経緯と実態――「未出版」を中心に――
張, 培華 Zhang, Peihua
中国現代名人である魯迅の本名は周樹人(一八八一~一九三六)である。周作人(一八八五~一九六七)は魯迅の弟である。本稿では、周氏兄弟の関係から、周作人が日本古典文学を翻訳するまでの経緯を述べ、特に人民文学出版社から一九五九年に依頼された『枕草子』の翻訳は、周作人が一九六一年に完訳したにも拘らず、なぜ当時出版しなかったのか。この点について、近年公開された周作人の日記や友人の手紙から、その原因と理由及び実態を考察してみたい。
<研究論文>『土佐日記』英訳ことはじめ : フローラ・ベスト・ハリスの業績
大野, ロベルト
明治の近代化と共に出発した日本古典文学の翻訳・紹介の実際については未だ整理されていない部分が多い。とくに『土佐日記』に関しては、メソジスト監督教会の宣教師の妻であったフローラ・ベスト・ハリス(1850 ~ 1909)による2度の英訳出版(1891年、1910年)があることはすでに指摘されているものの、その内容や翻訳者の実像についての研究は皆無に近い。そこで本稿ではハリスの生涯の歩みを概観しつつ、『土佐日記』英訳というその重要な業績について、可能なかぎり明らかにすることを目的とする。
愛媛大学鈴鹿文庫・鈴鹿連胤関係資料について
福田, 安典 FUKUDA, Yasunori
鈴鹿本『今昔物語』の旧蔵者、鈴鹿連胤は香川景樹門の歌人であり、神道研究者としても高名であるが、その古典書写、蔵書家としても名だたる存在である。その曽孫である鈴鹿三七氏も蔵書家として聞こえているが、彼の家の蔵書は「鈴鹿文庫」として愛媛大学附属図書館に収まり、『大和物語』『日次紀事』『新撰字鏡』などが収容されている。しかしながら、連胤の事績については従来触れられることが少ない。本稿では、鈴鹿文庫及び連胤についての整理と、若干の報告を目的とする。
三国期段階における烏丸・鮮卑について : 交流と変容の観点から見た
川本, 芳昭 Kawamoto, Yoshiaki
烏丸と鮮卑については,既に我が国においては内田吟風,中国においては馬長寿の古典的研究をはじめとして,文献的には既に解明され尽くされている感がある。しかし,米文平による鮮卑石室の発見により新たな知見が加わり,また近年では魏堅,孫危などに代表される鮮卑墓葬の研究に見るような,考古学的観点からする鮮卑の研究も格段に進展してきている。それ故,そのような成果を踏まえ,当該時期の烏丸・鮮卑の問題について再検討することは大きな意味をもっている。
伊勢物語のかがやき――鉄心斎文庫の世界―― 第5章 遊ぶ
二又, 淳 藤島, 綾 谷川, ゆき
江戸時代はパロディの時代であった。その中でも、古典類が出版文化の上で花開いた十七世紀は、『枕草子』をもじった『犬枕』『尤之 双紙 』、『徒然草』をもじった『犬つれづれ』などが出て、そして日本文学史の上でも最も優れたパロディ文学『仁勢 物語』が登場する。パロディ文学の流行は、散文の小説類(仮名 草子 )に限った現象ではなく、とくにこの十七世紀には、俳諧・狂歌・漢詩文にも及び、ジャンルを超えた流行を見せていた。まさに「パロディの世紀」といってもよい時代であった(今栄蔵「パロディの世紀」『初期俳諧から芭蕉時代へ』笠間書院、二〇〇二年)。
俳諧と見立て : 芭蕉前後
光田, 和伸
日本の近世において大いに発達した表現手法である「見立て」は「俳諧」においては、ジャンルの芽生え以来深く宿命づけられた手法であった。和歌・連歌の作者の余技・余興として始められた俳諧は、それら先行の文学を参照しつつ、それを異化することで、ジャンルを樹立したのである。その結果、重頼(一六〇二―八〇)の編集になる俳諧作法書『毛吹草』(一六四五)には、「見たて」の条をはじめ「云立」「取成」「たとへ」などの項目を細かく列挙するまでになる。今日の目からすれば、相互の差異を容易には見出しがたいこの精細な分類に、ジャンルの表現の洗練にかける当時の状況がうかがわれる。芭蕉(一六四四―九四)はこのような時代に生まれ、当時の常套的な作風をいちはやく摂取していくが、次第に「和歌世界の見立て」であるという俳諧の表現世界の限界に気付きはじめる。しかし「見立て」は俳諧というジャンルが存立するための基盤であった。彼は逆に表現主体自らを古典作者の「見立て」と見なす方法によるならば、俳諧というジャンルの制約をまもりながら、表現世界の限界を脱して、対象を一挙に時代の全域にまで広げることが可能であるということに目覚めてゆく。表現主題自身を「見立て」と化し、先行の古典作者と自身とを貫くものの自覚へと沈潜することによって、ジャンルの二律背反から脱出した芭蕉は、その原理を、絶えずより広く、深めることで、今日「不易流行」「高悟帰俗」の語によって象徴される新しい文学の方法へと到達したのである。
堀内新泉の宇宙探検―― 科学小説の起源が語るアンチ・ミメーシス
ストリッポリ, ジュセッペ STRIPPOLI, Giuseppe
明治後期に活躍した作家堀内新泉は、立志小説と植民小説というジャンルの枠組みの中で論じられてきたが、明治末期に冒険雑誌に載せられた探検小説群は注目されてこなかった。本論では彼の探検小説の一部を占め、現代のSFの作品として認められる宇宙探検を語る「三大冒険雑誌」の二つである『探検世界』と『武侠世界』という雑誌に掲載された「水星探検記」(一九〇六)、「金星探検記」(一九〇七)、「月世界探検隊」(一九〇七)、「少年小説昇天記」(一九一〇)という四つの短編小説を扱う。確かに明治時代では科学小説(SF)は文学ジャンルとしては確立されていなかった。しかし、堀内新泉の作品が示すように、科学小説的な物語が全く存在しなかった訳ではない。彼の宇宙探検を扱った作品は、明治から戦後に至るまでの多種多様な文学作品から成る、いわゆる「SF古典」の一つの例として捉えることができる。このような視点から彼の宇宙作品群を分析することで、SF古典作品が探検小説、冒険小説、科学小説などの枠組みで認知されていた明治時代まで日本SFの起源を遡って考えることができる。日本近代文学が確立されはじめた明治期に、思弁的な空想を取り扱うSFというジャンルを設定することにより、日本近代文学の一つの特徴が浮かび上がる。それは、坪内逍遥が『小説神髄』で確かなものにした、文壇の中心を占める現実主義文学に対する、ありのままの現実から距離を取る「アンチ・ミメーシス」という特徴である。
研究報告:国文学研究資料館蔵 田安徳川家旧蔵 入木道伝書 解題 (世尊寺家篇)
金子, 馨 海野, 圭介 KANEKO, Kaoru UNNO, Keisuke
国文学研究資料館所蔵田安徳川家資料のうち、田藩文庫に所蔵される入木道伝書の解題を報告する。田安徳川家は、八代将軍徳川吉宗(一六八四~一七五一)の二男宗武(一七一五~一七七一)を祖とする家で、一橋家・清水家とともに御三卿と呼ばれる家系の一つである。宗武は、江戸時代中期の歌人・国学者で、舞楽・有職故実を中心に古典研究に力を注いだようである。田藩文庫に所蔵される資料については、国文学研究資料館編『田藩文庫目録と研究』に資料の略目録が掲載され、とりわけ文庫形成・伝来については、田安徳川家の末裔である松方冬子氏によって詳しく述べられている。
『徒然草』における漢籍受容の方法 ―第二十五段「桃李もの言はねば」をめぐって―
黄, 昱 HUANG, YU
『徒然草』第二十五段は、京極殿と法成寺を例として世の無常を説く章段である。その中の、「桃李もの言はねば、誰とともにか昔を語らん」という無常を感嘆する文章は、「桃李不言、下自成蹊」という漢籍の故事を踏まえている。しかし、桃李はものを言わないが、花と実のために、その樹の下に自ずから人が集まってきて小道ができるというこの故事の原意とは意味も用法も異なっている。そこで、この表現が、もともとの意味から離れて、懐旧の思いを語るものに変遷していく経緯を中国と日本の古典作品に見られる用例にそって考察を行う。
撥音(の解析)は機械(UniDic)にとっても簡単ではなかったんだ! : BCCWJを中心に
劉, 志偉
日本語の撥音は種々雑多であるゆえ、日本語学習者にとっては学習しにくい項目である。本発表では、BCCWJの非コアデータも視野に入れて、撥音の解析に関しては解析精度が98%に到底及ばないことを提示するとともに、具体的に「一般名詞」「オノマトペ」「漢語副詞」「漢字読み」「慣用句」「近畿方言」「呼称」「古典」「語尾」「固有名詞」「ぞんざい表現」「駄洒落」「同音異語」「動詞連用」「特定」「入力ミス」「話し言葉」「表記仮名」「表記仮名遣い」「表記漢字」「フィラー」「複合語」「(近畿以外)方言」「略語」「若者表記」「若者言葉」等の単純誤解析が多いことを明らかにする。
コンテクストと自由 ―バーリンの自由論にかんする解釈を中心に―
小柳, 正弘 Koyanagi, Masahiro
自由とはなにか。この問は、一般にはしばしば、自由がいかなるものであるべきかを問うものとみなされており、それゆえ、自由論もまた、自由の本質をあきらかにするものとされてきたのではなかろうか。しかし、ある場合にある自由が自由であることが、別の場合に別の自由が自由であることをかならずしも否定するわけではないように、実際のところ、さまざまな自由はそれぞれなりに自由としてうけいれられている。小論は、現代自由論の古典ともいうべきI.バーリンの自由論の解釈を中心に考察して、自由の概念は、コンテクストとのかかわりで、そのような多様性と自明性の事実にすぐれてみあったものとなることをあきらかにした。
表現主義と気韻生動 : 北清事変から大正末年に至る橋本関雪の軌跡と京都支那学の周辺
稲賀, 繁美
20世紀前半の日本の近代美術史は、同時代の世界美術史の枠組みのなかで再考される必要がある。この課題に対処するうえで、橋本関雪(1883~1945)の事例は見過ごすことができない。関雪は明治末年から大正時代にかけ、文部省美術展覧会、ついで帝国美術展覧会で続けざまに最高賞を獲得したが、その画題は中国古典から題材を取りつつも、日本画の技法を駆使しており、さらに、清朝皇帝に仕えた郎世寧の画風を取り込むばかりか、洋行に前後して、同時代の西欧の最新流行にも目配せしていた。加えて筆者の仮説によれば、関雪は旧石器時代に遡る原初の美術やペルシア細密画をも自分の画業に取り込もうとしたことが推測される。こうした視点は先行研究からは見落とされてきた。
資料画像公開・利用の国際化と高度化の取り組み : 「日本語史研究資料[国立国語研究所蔵]」の事例
高田, 智和 福山, 雅深 堤, 智昭 小助川, 貞次 TAKADA, Tomokazu FUKUYAMA, Masami TSUTSUMI, Tomoaki KOSUKEGAWA, Teiji
昨今,デジタル技術の進歩,学術政策におけるオープンサイエンス・オープンデータの推進と相まって,世界各国の様々な機関が所蔵する資料(主に古典籍)のデジタル画像化とインターネットを通じた公開が進んでいる。従来の公開では,単純な閲覧を目的とした場合,JPEG形式やTIFF形式のデジタル画像を提供する方式や専用ビューアを提供する方式が採用されてきた。また,アノテーションが付与された画像を表示する場合や,複数画像を比較表示するような場合,提供画像と専用ビューアを合わせて用意する方式が採用されてきた。本稿では,従来の公開方式による「日本語史研究資料[国立国語研究所蔵]」に,IIIF規格に準拠した画像公開システムを導入した事例と,コーパス検索結果からの画像参照への実装を報告する。
エズラ・パウンドと能 : 出会い、そして展開
成, 惠卿
十九世紀末から始められた英訳の歴史において、注目すべき一冊は、フェノロサ=パウンドによる『能―日本古典演劇の研究』 ‘Noh’ or Accomplishment, a Study of the Classical Stage of Japanである。これは、パウンドがフェノロサの能の遺稿を編集・完成した本であるが、この一冊を世に出すまで彼が注いだ情熱や努力は並々ならぬものであった。その周辺には、伊藤道郎、久米民十郎、郡虎彦などの若い日本人芸術家たちがおり、パウンドの能理解、とりわけ舞台面での理解を助けた。一九一六年に出版されたこの一冊は、西洋の読者に、能の劇世界の美と深さを広く伝えるとともに、同時代の芸術家たちにも新鮮な衝撃を与えたのである。この時期におけるパウンドの能への関心は甚だ高く、自らも能をモデルとした幾つかの劇作品を書いた。
国文学研究資料館において作成してきたデジタル展示―プログラミングの労なく作成するために―
北村, 啓子 KITAMURA, Keiko
古典資料(歴史的な研究資料)のデジタル画像を展示する場合の資料の形状・見せ方などから錦絵・巻子・書写本・検索のタイプに分類し、それぞれの共通する見せ方を分析して、汎用性の高いデジタル展示のソフトウェア開発を行った。これにより、毎回新たに開発することなく、展示原本を撮影したデジタル画像(・翻刻データ・調査研究データなど)を準備するだけでデジタル展示が完成することを可能にした。これは展示企画者である人文系研究者やキュレータなどコンピュータの非専門家が、プログラミングすることなく直接デジタル展示を作成することができることを意味する。これらの汎用的なソフトウェアを使って、国文学研究資料館の展示において、これまで作成してきたデジタル展示の紹介を行う。最後に、開発したデジタル展示の評価と、最近進化が著しいタブレット環境にフォーカスを当て、今後のテーマについて述べる。
中国の新劇と京都 : 任天知・進化団と静間小次郎一派の明治座興行
陳, 凌虹
中国における新劇は19世紀末に古典演劇を継承しながら、もう一方で近代劇の影響を受けて、両者の交錯作用によって作り出された演劇様式であり、中国の現代演劇=話劇の誕生を促した演劇様式でもある。当時は文明戯、後には早期話劇とも呼ばれた。文明戯の発祥と発展の歴史を遡ると、日本との深いつながりに気づく。明治40年代は新派が東京でその全盛期である「本郷座時代」を迎えた時期である。当時繰り返し上演されていた劇は、そのまま春柳社や留学生によって翻案・上演され、中国の劇壇に多大なるエネルギーを注ぎ込んだのである。それゆえ、文明戯と日本のかかわりを語るとなると、東京に目を向けがちになる。しかし、小論では新しい資料に基づいて、「文明戯を一つの劇種として確立させた」重要な劇団である進化団の創立者・任天知(一八七〇?~?)と京都の関係を探求する。
南北朝期の『孟子』受容の一様相 ―二条良基とその周辺から―
小川, 剛生 OGAWA, Takeo
南北朝時代の文芸・学問に、四書の一つである『孟子』が与えた影響について探った。『孟子』受容史は他の経書に比し著しく浅かったため、鎌倉時代後期にはなお刺激に満ちた警世の書として受け止められていたが、この時代、次第にその内容への理解が進み、経書としての地位を安定させるに至った。この時代を代表する文化人、二条良基の著作は、そうした風潮を形成し体現していたように見える。良基の連歌論には『孟子』の引用がかなりあり、これを子細に分析することで、良基の『孟子』傾倒が、宋儒の示した尊孟の姿勢にほぼ沿うものであったことを推定し、もって良基の文学論に与えた経学の影響を明らかにした。ついで四辻善成の『河海抄』から、良基の周辺もまた尊孟の潮流に敏感に反応していたことを確認し、『孟子』受容から窺える、この時代の古典学の性質についても考察した。
一般的な日本語テキストにおける助詞比率の規則性
森, 秀明 MORI, Hideaki
日本語のテキストでは名詞比率に連動して自立語の動詞や形容詞などの比率が規則的に変化することが知られている。しかし付属語については明らかにされていないため,BCCWJ固定長と日本語歴史コーパスの長単位データを使用し,助詞比率の規則性を観察した。コーパスのサンプルの中には,例えば商品名と値段が羅列されるなど,ほとんど助詞が使用されないものが存在するため,名詞比率45\\%未満のサンプルを仮に「一般的な日本語テキスト」と認定して調査した。この結果,連体助詞(格助詞ノ)には名詞比率と正の相関が,接続助詞には負の相関があった。また会話が一定数含まれる図書館サブコーパスでは,終助詞には負の相関が,(ノ以外の)格助詞には正の相関があった。注目すべきは助詞の中分類ではこのように名詞比率との連動性がありながら,それらを合計した大分類では,ほとんどのテキストの助詞比率は34\\%前後とほぼ一定で,その比率は古典語でも同じであった。
【《UH・UR合同シシポジウム》報告】繰り返しがえし : 琉球舞踊の精神
高嶺, 久枝 Takamine, Hisaye
琉球王国時代、朝貢関係にある中国皇帝の使いである冊封使を歓待するために創られた御冠船踊り(宮廷舞踊・古典舞踊)。私を踊り手として解放してくれるきっかけを与えてくれたのが、普天満宮先代宮司で、舞踊家の故新垣義志氏の創作、神楽舞「初穂」でした。この踊りは湛水流(古典音楽の古型)の音曲にのせ、祭式作法を取り入れ、かつて沖縄の村々の祭りを司った神女の姿で踊ります。そして稲穂を持ち、豊作は神の恩恵によるものとして‘初穂'を神に捧げます。祈りの舞を踊る時、私の想いのベクトルは神聖な対象に向かい、精神の浄化を求め、かつ求められ、透明化していきます。舞の透明化をめざすべく、身体は観客に向かっている時でも、私自身の想いのベクトルは私自身の魂へ向き、または崇高なものへ向かいます。そして自分自身を内視します。その繰り返す行為が純化された精神的な世界へと導いてくれます。文字のない社会における島の女達は、時として神人になり、白い衣裳をまとって幾日も龍もり、心の内から発する歌と祈りの所作で男達を、子供達を、すべての人々を愛で包み、島の繁栄を祈りました。そして現世と来世をつなぎ、生を豊かに謳歌してきたと思います。文献にみる「舞踊」に関する言葉には、三つの系列があります。(1)「遊び」(神女の歌舞や船遊び、祭事における神事的な歌舞、行事をさす)・(2)「なより」(身振りのつく踊りで手の舞いはこねり)・(3)「舞い」の三つです。古代から「舞う」は鳥や蝶が飛翔するさまを表わすときに使います。それらは兄弟の航海を守護する「おなり(姉妹)神」の化身でもあると信じられています。神女達は果報を寄せる霊力を持つとみられ、「舞い合い」「群れ合い」によって波風を和めんとし、鷲の羽でつくった「風直り」を髪に挿し、薄衣装をはためかしてその飛翔するさまを舞います。神女達が御嶽の庭に降臨し、「なよる」のは、島を「直」す、すなわち和め、繁栄をもたらすためでした。「遊び」「なより」「舞い」は、言葉は違っても、「祈り」という点では、共通の意味合いをもっています。私は現代に生きる者として、女性(姉妹オナリ)のもつ霊力を表現した作品『風なおり』を1991年に発表し、先達の思いを、祈りの心を舞いに映し出してみました。現代に生きる古典舞踊は、時と場所を超え人々の生への共通のテーマを表現していると思います。舞う側の無駄を削ぎ落とし、昇華され、透明化された表現は、人々のもつ精神世界に触れ、蘇らせ、心の綾を象徴すると思います。私は生命あるものすべてに神の心が宿り、その神に生命養われたことへ感謝し、歌と踊りを神々に献じた先人達の智慧と愛に満ちた心を学びたいと思います。さらに、芸能に宿る今もむかしも変わらない愛と祈りの精神性を受け継ぎ、これまで培ってきた身体に宿る技と心のリズムで難な表現を可能に出来るようにし、創造・継承の使命を持ちつつ、日々の精進を怠らないように心がけたいと思います。
西洋人宣教師の造った新漢語と造語の限界 : 一九世紀中頃までの漢訳洋書を中心に
孫, 建軍
本論は一九世紀中頃までの漢訳洋書を対象に、その中に現れた社会科学関係の内容を紹介し、中国で活動した西洋人宣教師の翻訳、造語活動について分析を行ない、宣教師の造語における限界を指摘した。一九世紀初頭から中頃までの漢訳洋書は自然科学や宗教関係のものが圧倒的に多いが、西洋国家の政治制度や社会制度を紹介する内容もわずかながら見られた。宣教師の造語は「新造語」と「転用語」の二種類に分けることができる。「新造語」は音訳語のほかに、「上院、下院、議会、国債」のような直訳語もある。そして「国会」のように、短文をさらに短縮した語も見られる。それに対して、中国では古典法律用語が発達したため、「転用語」が比較的数が多いといえる。「選挙、自主、領事、自立、民主」などがその例である。宣教師の造語は積極的に行なわれたものの、様々な限界も存在した。専門知識の欠如、「口述筆録」といった翻訳方法、方言の違い、宣教グループ間の対立などが原因となって、宣教師の造語に限界をもたらしたと考えられる。
折口信夫のフィールド・ワーク : 「古典」と「生活の古典」を結ぶもの
上野, 誠 Ueno, Makoto
中国語、日本語、西洋語間の相互伝播と翻訳のプロセスにおける「経済」という概念の変遷
馮, 天瑜
古漢語「経済」の元々の意味は、「経世済民」、「経邦済国」であり、「政治」に近い。日本は古代より「経世済民」の意義で「経済」を使ってきた。近世になって、日本では実学が勃興し、その経済論は国家の経済と人民の生活に重点が置かれた。近代になると、さらに「経済」という言葉をもって英語の術語Economyを対訳する。「経済」の意味は国民生産、消費、交換、分配の総和に転じ、倹約の意味も兼ねる。しかし、近代の中国人学者は、「経済」という日本初の訳語に対してあまり賛同しないようで、Economyの訳語として「富国策、富国学、計学、生計学、平準学、理財学」などの漢語を対応させていた。清末民国初期、日本の経済学論著(とりわけ教科書)が広く中国に伝わったことや、孫文の提唱により、「経済」という術語が中国で通用するようになった。しかし、「経済」の新義は「経世済民」の古典義とかけ離れているばかりでなく、語形から推計することもできないから、漢語熟語の構成根拠を失った。にもかかわらず、「経済」が示した概念の変遷は、汎政治的汎道徳的な観念が中国においても日本においても縮小したことを表している。
特殊文庫関係資料の編成記述に関する試論―大学図書館所蔵アーカイブズへのISAD(G)適用―
石井, 悠香 ISHII, Haruka
本稿は、一橋大学社会科学古典資料センターの所蔵する「特殊文庫関係資料」という資料群について整理を行い、その実践にもとづきISAD(G)を適用した編成記述を試みるものである。特殊文庫関係資料とは、本学保有の一大コレクションであるメンガー文庫やギールケ文庫の成立にまつわる小規模資料群である。過去に整理された経緯があるが整理方針等は不明瞭であり、残存する資料群は原秩序の部分的崩壊や出所の混在といった特徴を有していた。これらの資料特性に即してISAD(G)を柔軟に適用し、実用面を重視した編成記述のあり方を検証した。実用面の重視とは、資料理解にかかる利便性と正確性の向上を意味する。結果として、構造分析を経て階層性に部分的秩序を反映させ、出所の別を構造上区分することができた。またレベル別記述によりコンテクストを明示し、秩序が希薄な資料群の全容および資料相互の関係性を明らかにできた。つまり、階層構造の人為的な付与が情報の伝達性を高め(利便性の向上)、コンテクスト情報の付与が資料理解の深化を促した(正確性の向上)といえる。最後に、一橋大学附属図書館のアーカイブズ管理に関する背景事情の一部に言及することで、上記資料特性の生じた要因を探り、ISAD(G)記述式の有効性について再考した。
古典の未来学 : Projecting Classicism
古典学統合データベース
The Pursuit of Interdisciplinarities: A Critique of Cultural Studies
Kobayashi, Masaomi 小林, 正臣
本稿は、これまで人文科学において広範に実践されてきた「文化的研究(Cultural Studies)」の在り方について検証している。自然科学における実証と異なり、人文科学における論証は、なるほど厳密な客観性を要求されない場合が往々にしてある。したがって、ある社会における文化と別の社会における文化に、あるいは一つの社会における複数の文化の相違に個別性と連続性を見出しつつ、それらの問題を文化の問題として論じることには、それなりの学問的価値はあるだろう。しかし、Bill Readingsが指摘するように、個々の集団間の差異性と連続性の問題を「文化」という観点から総括してしまうことには議論の余地がある。なぜなら、それは否定的な意味における還元主義的な論法となる危険性があるからである。一方、社会科学においても還元主義的な論法は存在する。たとえば、新古典派経済学は、社会における人間の活動を利益の追求または最大化という観点のみから説明する傾向がある。かくして本稿は、人文科学(例えば文学)と社会科学(例えば経済学)の学際性を図る際には、それら学際的研究の個々が「特殊(specific)」であるべきであり、学際性を総括的な概念としてではなく、永続的に追求されるべき概念として捉えることを提唱している。
捨身する古典性
荒木, 浩
日本古典資料調査記録データベース
沖縄の踊り (3) : 古典舞踊「高平良万歳」 : 舞踊譜の体系化をめざして
金城, 光子 Kinjo, Mitsuko
舞踊の記録,表記はむずかしい多くの課題を含んでいるようである。これまで,老人踊り「かぎやで風」と女踊り「諸屯」の2つの作品の踊り像を描き,踊りの展開がある程度わかるように図示してきた。今回は,同じく男踊り「高平良万歳」の舞踊の踊り像を描写したものを図示することにしたい。この踊りに関する解説および,分析検討は本紀要『沖縄の踊りの表現特質に関する研究[3]~古典舞踊「高平良万歳」(男踊り)について』に記したので本稿では割愛することにした。研究の方法は,(1) 8ミリ,16ミリ,35ミリフィルムに踊りの全形を収録したのち,(2) 1~10コマ毎の踊り像をプロフィールプロジェクターで拡大し,舞踊の全体像を描いた。(3) 作品の総コマ数をかぞえ,踊り動作のまとまりに区切りをつけてコマ数を記し時間を概算した。(4) 図を踊り順にならべ,図の下にコマ数を数字で記入したのち約3cmの高さに像を縮少した。(5) 踊り順序にならベた図に動作や一連の踊りの区切りがわかるように番号を付した。この踊り番号は,踊りのコマ数と時間の表に書いた番号と同一である。(6) (5)と対応するようにコマ数と時間,歌詞を示す表を作成。(7) (5)と(6)と対応させつつ"踊り方"の概説を記した。(8) 踊り手は,琉球舞踊家の島袋光裕。(9) 撮影は昭和50~51年まで,那覇市民会館大ホールで行なった。
日本古典文学大系本文データベース
<エッセイ>古典の未来
李, 愛淑
古典対照語い表 お
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
【講義1】はじめての古典籍
神作 研一
古典対照語い表 か~こ
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 さ~そ
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 統計表
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 や~を
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 た~と
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 な~の
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 ま~も
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
古典対照語い表 は~ほ
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
菱川師宣絵づくし考
鈴木, 淳 SUZUKI, Jun
江戸時代前期、元禄期頃までの「絵本」の代表的存在である、いわゆる「師宣絵本」は、いかなる中身をもって世に現れたのか。もっとも、師宣絵本は「絵本」の語を書名に冠しておらず、その代わりに多く「絵づくし」の語を用いていた。すなわち、板元の鱗形屋三左衛門が、延宝期後半以降、出版した師宣絵本は、二二点ほど数えることができるが、そのうち「絵づくし」という接尾辞を伴った師宣絵本が、延宝八年五月の『大和侍農絵づくし』以下、計一〇点ほどある。それらの師宣絵本の序文や刊語では、「絵づくし」を「絵本づくし」と言い替えている。「絵づくし」も、「絵本づくし」も、絵の手本を集めたもの、すなわち「絵手本」という意味である。鱗形屋が「絵づくし」を最初に題名に付けたのは、『大和侍農絵づくし』『大和絵づくし』『大和武者絵』(むしや絵づくし)の三点である。このうち『大和武者絵』(むしや絵づくし)の闇計なる人物の序文には、師宣は大和絵の風俗について、土佐、狩野、長谷川家の筆意に基づきながら、自らの画技によって工夫を加えて一流を極め、浮世絵師の名を得たとある。つまり、鱗形屋は、師宣の工夫が加わった、大和絵の「絵手本」の普及を目論んだのである。師宣は『大和絵づくし』において、謡曲、『伊勢物語』『源氏物語』『平家物語』に取材した古典風の絵や、絵巻に拠っていたと推定される絵を集めているが、とくに謡曲関連の絵に、師宣の工夫が認められる。
古典琉球語の音声合成
高良, 富夫 大石, 節 Takara, Tomio Ooishi, Takashi
「老が恋」 蕪村の句と古典
芳賀, 徹
南インド古典音楽におけるリズム的身体
Terada, Yoshitaka
【講義1】はじめての古典籍 付)書誌用語概説
神作 研一
古典対照語い表 (トビラ)、あ~え
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
ベトナムの習慣と信仰を古典文学に探る
グエン, ティ オワイン
特別講演 日本古典文学の翻訳について
Keene, Donald KEENE, Donald
古典ユカテクマヤ語の逆受動についての一考察
八杉, 佳穂
はじめて学ぶ文化人類学 : 人物・古典・名著からの誘い
岸上, 伸啓
(講演報告)仏書から見る日本の古典籍
落合, 博志 OCHIAI, Hiroshi
公開講演 女性の出家と古典文学 ―日本と西洋―
Ruch, Barbara RUCH, Barbara
研究発表 中世古典美学と日本民族自然美観の形成
楊, 永良 YANG, Yung Liang
特別講演 知の形態としての日本古典文学
クリステワ, ツベタナ KRISTEVA, Tzvetana
オントロジとは何か ――和漢古典学のオントロジ――
相田, 満
18世紀ヨーロッパ古典派音楽における演奏の装飾
大宮, 眞琴
<エッセイ>古典の知恵・老人の知恵 : アメリカで感じたこと
猪木, 武徳
世界の中の日本古典文学 : 翻訳と研究方法の問題点から
アンダソヴァ, マラル
<アジアの日本研究> 15 韓国における日本古典文学研究の現況
李, 愛淑
从《碧岩录》看禅对日本古典园林的直接影响
許, 金生
韓国における日本近世古典人文学資料の翻訳出版および研究動向
鄭, 灐
古典対照語い表 内トビラ、まえがき、目次、凡例、奥付
宮島, 達夫 MIYAJIMA, TATSUO
昭和文学の展望(3)-日本浪曼派の古典回帰序説-
小澤, 保博 Ozawa, Yasuhiro
研究発表(1) 中世後期、古典研究の一側面 ―近衛尚通の場合―
鶴崎, 裕雄 TSURUZAKI, Hiroo
研究発表 抜群の古典をよみがえらす加藤道夫作「なよたけ」
Richard, Kenneth L RICHARD, Kenneth L
〈妊娠小説〉としてのブッダ伝 : 日本古典文学のひながたをさぐる
荒木, 浩
[調査研究活動報告] 国立歴史民俗博物館蔵古文書・古典籍料紙の調査
宍倉, 佐敏 Shishikura, Satoshi
第7章 筑前琵琶古典芸能への道 : 20世紀における語り物芸能の「改良」と成熟
ギニャール, シルヴァン
探究的学習がもたらす教育効果 : 探究の特質を意識した高校古典の授業実践
上村, 千安 Kamimura, Chiyasu
「日本文学」という観念および古典評価の変遷 : 万葉、源氏、芭蕉をめぐって
鈴木, 貞美
研究発表 「言文一致体」を越えて ―谷崎潤一郎における古典を翻訳する意味―
李, 漢正 LEE, Hanjung
研究発表 近松の霊と21世紀の恋人たち ―連歌・連詩における古典の役割―
Klopfenstein, Eduard KLOPFENSTEIN, Eduard
講演 江戸時代前期文芸における古典教養 ―俳諧・浄瑠璃などに見る謡曲の引用―
Ruperti, Bonaventura RUPERTI, Bonaventura
琉球伝統音楽に於ける歌い出し(アインザッツ)の研究 -『古典音楽工工四』編
泉, 惠得 IZUMI, Keitoku 泉, 恵得
ブラジルにおける琉球古典音楽の継承 -沖縄からもたらされたそれぞれの「国際化」-
遠藤, 美奈 Endo, Mina
インド音楽の近代化とマスメディア : ラジオ放送が北インド古典音楽と音楽家の生活世界に与えたインパクト
田森, 雅一
論文に引用する古典籍にDOIを明示しましょう――検証可能な学問に向けて――
山本, 和明 YAMAMOTO, Kazuaki
<書評>ゲルガナ・イワノワ『ある日本古典文学作品の再構築 : 『枕草子』の複数の生』
プラダン, ゴウランガ・チャラン
研究発表 朝鮮の古時調と日本の古典和歌の対比研究の試み ――自然素材に着目して――
曺, 喜眞 CHO, Heejin
研究発表 現代人の感覚を呼び戻す古典の中の謡曲の役割 ―卒塔婆小町の一句の一例―
Zdenka, Švarcová Zdenka, ŠVARCOVÁ
平敷屋朝敏の擬古文物語群に関する基礎的研究―近世琉球に現れたヤマトの古典文学―
萩野, 敦子 Hagino, Atsuko
カースト競合の「場」としてのカリスマ的演奏家 : T. N. ラージャラッティナム・ピッライと南インド古典音楽文化
寺田, 吉孝
世界経済分析への古典的視野の再構成 : 現代世界経済における需給バランスの不安定性 (3)
高良, 倉成 Takara, Kurashige
【講義13】国立会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館 利用者サービス部人文課古典籍係
【講義13】国立国会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館 利用者サービス部人文課古典籍係
ヨーロッパ人による『孟子』の初訳について : ノエル箸『中華帝国の六古典』における儒教解釈
井川, 義次 Igawa, Yoshitsugu
貴州省における日本関係典籍について―黎庶昌の古典籍蒐集およびその旧蔵書の行方を中心として―
陳, 捷
小国開放経済の新古典派成長モデルにおける財政収支、経常収支そして貿易収支の動学分析 : 定額一括税と動学的最適化
德島, 武 Tokushima, Takeshi 徳島, 武
近代北インド古典音楽における社会音楽的アイデンティティの構築 : 英領インド帝国期の“カースト統計”と“ナウチ関連問題”を中心に
田森, 雅一
生活文化としての和服の理解に関する研究 ―「被服構成実習3」におけるゆかた製作を通して―
藤原, 綾子 Fujiwara, Ayako
生活文化としての和服を理解させるため,「被服構成実習3」の授業を通して以下に示す実践を試みた。大学生男女を対象とした和服のイメージ調査,「被服構成実習3」の実習前後の和服に関する基礎知識の理解度,和服の製作,着用経験及び着用能力の調査,家庭科教育における和服製作に関する意識調査,実習後の感想等,更に近年相次いで出版されている浴衣(ゆかた)の入門書について分析し,授業用参考書としての考察を行った結果,以下のことが明らかとなった。1.大学生の和服に対するイメージは祝,祭,行事など特別な時の衣服であり,しとやか,優美・優雅,日本的な印象を感じている。又どちらかと言うと晴着であり,着装は困難で非活動的,非経済的,古典的というマイナスイメージを持っていることが明らかになった。2.和服に関する基礎的知識の理解では,実習前は低い正答率しか得られなかったが,実習後はるかに高い正答率が得られ,製作実習がその理解に役立っていることが明らかになった。3.家庭科教育における和服の製作をどういう教育段階に入れるべきかについては,40%の学生は高等学校家庭科で必要であると回答し,全体の半数(50%)の学生は大学教育に必要であると回答していた。4.実習後の学生の感想から,ミシン縫いを取り入れたため目標の日程(一週間)で仕上げることが\nできた,和服はほどくと長方形の布地になりリフォームしやすく経済的であること,着つけを学ぶことができ将来役に立つこと等,和服の長所を実習から学んでいて,充分ではないものの和服理解の一端は得られたと考える。5.近年相次いで発行されているゆかたの入門書を検討した所,数冊の本では身長によるL,M,Sの三体型のでき上がり寸法表示があったものの,L,Mだけの本もみられた。製作手順についても従来からの方法もあれば,大幅に変化したものも見られた。肩当,居敷当はほとんどの本で省略されていた。製作方法は従来の手縫いのみからミシン縫いをとり入れた方法に移向し,時間の短縮化がはかられている。教員養成課程家政専攻の学生のための参考書としては一応使えるものの,肩当,居敷当のつけ方等は加える必要がある。
琉球古典音楽の唱法における発音・音声の研究 野村流「工工四」における声楽譜、´大掛´について
山口, 喜七郎 石原, 茜 仲村, 善信 Yamaguchi, Kishichiro Ishihara, Akane Nakamura, Yoshinobu
「つながる」ことに主眼を置く古典学習の研究 ―高等学校国語科の新科目「言語文化」における古文教材の学びを通して
當間, 比呂
「つながる」ことに主眼を置く古典学習の研究 ―高等学校国語科の新科目「言語文化」における古文教材の学びを通して―
當間, 比呂
「書物で見る 日本古典文学史」解説
落合, 博志 神作, 研一 恋田, 知子 OCHIAI, Hiroshi KANSAKU, Ken'ichi KOIDA, Tomoko
本展示では、上代から明治初期までの文学を、書物(古典籍)によってたどります。
シンポジウム報告:文芸・宗教における九州――〈中央〉と〈地方〉の関わりから―― [基幹研究「日本古典文学における〈中央〉と〈地方〉」の研究成果として]
寺島, 恒世 TERASHIMA, Tsuneyo
和漢古典学のオントロジの資源化のために ――『国書総目録』の分類について――
相田, 満
時代の画期やその時代の盛期が自覚された時、記念となるべきモニュメントを作り上げる営みは史上何度も繰り返されたことである。
【講義17】国⽴国会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館利用者サービス部人文課 National, Diet Library Reader Services and Collections Department Humanities Maps Rare Books and Old Materials Division
本テキストは、「第19回日本古典籍講習会(2021年度)」(2021/7/6-8:国文学研究資料館、国立国会図書館共催)で使用された資料の一部です。
【講義17】国立国会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館利用者サービス部人文課古典籍係 Diet, Library Reader Services and Collections Department Humanities Maps Rare Books and Old Materials Division Rare Books and Old Materials Room National
本テキストは、「第20回日本古典籍講習会(2022年度)」(2022/7/12-15:国文学研究資料館、国立国会図書館共催)で使用された資料の一部です。
【講義13】国立国会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館利用者サービス部人文課古典籍係 National, Diet Library Reader Services and Collections\nDepartment Humanities Maps Rare Books and Old Materials Division Rare Books and Old Materials Room
本テキストは、「第15回日本古典籍講習会(平成29(2017)年度)」(2018.1.16-19:国文学研究資料館、国立国会図書館共催)で使用された資料の一部です。
【講義13】国立国会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館利用者サービス部人文課古典籍係 National, Diet Library Reader Services and Collections Department Humanities Division National Diet Library Reader Services and Collections\nDepartment Humanities Maps Rare Books and Old Materials Division Rare Books and Old Materials Room
本テキストは、「第16回日本古典籍講習会(平成30(2018)年度)」(2019.1.22-25:国文学研究資料館、国立国会図書館共催)で使用された資料の一部です。
【講義14】国立国会図書館における古典籍資料の電子化
国立国会図書館利用者サービス部人文課古典籍係 National, Diet Library Reader Services and Collections Department Humanities Division National Diet Library Reader Services and Collections\nDepartment Humanities Maps Rare Books and Old Materials Division Rare Books and Old Materials Room
本テキストは、「第17回日本古典籍講習会(令和元(2019)年度)」(2019.7.2-5:国文学研究資料館、国立国会図書館共催)で使用された資料の一部です。
国語史教育と古典教育
山中, 延之 YAMANAKA, Nobuyuki
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01885)の助成を受けたものである。
アクティブラーニングによる古典教育
平野, 多恵 HIRANO, Tae
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01879)の助成を受けたものである。
古典の普及活動への取り組み
小山, 順子 KOYAMA, Junko
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01886)の助成を受けたものである。
教員志望学生に向けての古典文学教育授業実践
阿尾, あすか AO, Asuka
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01883)の助成を受けたものである。
古典文学のPOPULARIZATION――江戸時代庶民文芸の再評価――
山下, 則子 YAMASHITA, Noriko
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01878)の助成を受けたものである。
古典の知識普及のための実践例
入口, 敦志 IRIGUCHI, Atsushi
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01877)の助成を受けたものである。
古典と現代をつなぐ――自主ゼミ活動と二次創作の試み――
石井, 倫子 ISHI, Tomoko
本報告書は、国文学研究資料館の歴史的典籍NW 事業・国文研主導型共同研究「青少年に向けた古典籍インターフェースの開発」(研究期間:2015 〜17 年度、研究代表者:2015年度・田中大士、2016 〜17 年度・小山順子)の成果の一環である。なお本共同研究は、JSPS科学研究費補助金(基盤研究(A))「日本古典籍における表記情報学の発展的研究」(研究期間::2015 年4 月~ 2020 年3 月、代表者:今西祐一郎、課題番号:15H01884)の助成を受けたものである。
テキストから「かな表記の語彙」を抽出する試み ―コーパスを利用して古典語彙を収集するために―
北村, 啓子 KITAMURA, Keiko
古文のテキスト処理をしようとすると、表記のゆらぎは切実な問題であり、これをカバーするシソーラスや異表記辞書、読み辞書、固有名詞辞書などの語彙に関する電子辞書の構築が待望されている。古文のテキストデータ化が研究者個人で活発に行われるようになり十年を数え(国文学資料館でも二十年近く前から実験されていた)、大規模にテキストデータベースとして構築するプロジェクトもいくつか興っている。これらの活動で作られてきた古文テキストは、古文を対象にした一種の大規模コーパスを形成している。
自分が観察している視点からも天体の動きを確認できる天球儀の開発と教具としての実用可能性の評価 : ウェアブルカメラを内蔵した天球儀の開発によるICT機器と古典的教具との連携
吉田, 安規良 上地, 飛夢 吉田, はるか Yoshida, Akira Uechi, Tomu Yoshida, Haruka
3Dプリンターでポリ乳酸樹脂を加工したりアルミニウムの板から削り出したりして装具を自作し,ウェアブルカメラを透視天球儀の内部に取り付ける改造を施した。このウェアブルカメラをスマートフォンやタブレットPC とWi-Fi 接続することで,地球外からの視点(天球儀を外側から見た状態)とあわせて地球上にいる自分からの視点(天球儀の内側から見た状態)で天球上の星や星座の動きが確認できる。中学校理科教員志望学生は,「天体の運動の様子をこの2 つの視点で同時に確認できる」や「天体の見かけの動きの説明に役立つ」と改造した天球儀を評価した。また,ICT を活用した教育の視点からプロジェクターで天球儀内部からの映像を投影することで,1 台しかなくても全員で天球儀内部の様子が確認できることも評価した。
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