1)森林資源 林型一気候条件からみた世界の林型は, 針葉樹林, 温帯広葉樹林, 熱帯広葉樹林の3つに分けられている。針葉樹林の95%は先進地域の北半球にあり, 温帯広葉樹林も北半球に偏在し, 熱帯広葉樹林は低開発地域の南アメリカと北アメリカに集中している。また別の分類によると亜寒帯針葉林, 温帯混交林, 温暖温帯湿林, 赤道雨林, 熱帯落樹湿林, 乾燥林の6つの林型がある。面積-世界の林地面積は約43億haで, 土地面積に対する森林率は30%である。森林割合を100%とすると, 先進地域に53%, 低開発地域に47%がある。個々の地域ごとにみると, 南アメリカ21%, ソ連19%, 北アメリカ18%, アフリカ18%, アジア13%,その他11%となっている。林相-世界の針・広葉樹の合計面積は約25億ha, そのうち針葉約9億ha, 広葉15億ha, 混交1億haとなり, 広葉樹が最も多い。推定による針・広葉樹面積は約37億haで, そのうち針葉樹は約12億ha, その主要分布地は北半球の温帯にあって, ソ連と北アメリカの先進地域で80%以上に達している。広葉樹は25億ha, その4分の3は低開発地域に散在し, 主に南アメリカとアフリカにある。蓄積-森林総蓄積は2,380億m^3,うち針葉1,141億m^3,広葉1,239億m^3となり, 広葉樹の蓄積が多い。蓄積の分布はソ連33%, 南アメリカ33%, 北アメリカ18%となり, これら3地域で84%にも達している。アジア, アフリカ, 南アメリカを合せても16%にしかならず, その原因は未調査・未報告の森林が多いためであるとされる。推定による世界の森林蓄積は3,400億m^3,うち針葉1,350億m^3,広葉2,050 億m^3となっている。ha当りの蓄積は一般に針葉樹が高い。2)森林開発採取-1960∿62年の年平均伐採量は約19億m^2,うち用材10億m^3,薪炭材9億m^3である。先進地域の伐採量は11億 m^3で, その84%は針葉樹である。残余の8億m^3は低開発地域でなされ, その67%は広葉樹である。用材の75%が針葉樹からなり, 薪炭材81%は広葉樹で占められている。そして用材の83%が先進地域, 薪炭材の71%は低開発地域で生産されている。先進地域の用材粗見積は約9億m^3で, 低開発地域は1億m^3にすぎない。このように先進・低開発地域間の採取開発はきわめて不均等である。