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地域コミュニティに対する住民の価値観の構造
加藤, 潤三 Kato, Junzo
本研究の目的は、住民が地域コミュニティに対して求めるニーズであり、地域での実際的な生活において重視する地域の諸要素である『コミュニティ価値』について、その要素を抽出するとともに、要素間の関係性からコミュニティ価値の構造を検証することであった。地域特性の異なる3 市町村(大阪府吹田市、京都府京田辺市、沖縄県中城村)において調査を行ったところ、689 名(有効回収率46.9%)から回答があった。コミュニティ価値として、自由記述によって得られた1484 のコメントをKJ 法によって分類した結果、「交通」、「人間関係」、「自然」、「安全」、「教育・子育て」、「地域の発展」など16 の要素(大グループ)が抽出された。A 型図解の結果、コミュニティ価値は『合理性・利便性-情緒性・社会文化性』と『持続可能性(サステーナブル)-豊かさの向上(エンリッチ)』の2 次元的な構造に集約されることが明らかになった。
中国人日本語専攻生の学術コミュニティへの参加過程の分析 : 中国の大学から日本の大学院へ
黄, 均鈞 霍, 沁宇 田, 佳月 胡, 芸群 HUANG, Junjun HUO, Qinyu TIAN, Jiayue HU, Yiqun
本稿では,中国から来日した一人の日本語専攻生Iさんを対象に,彼女が来日前及び来日後に参加した複数のコミュニティへの参加過程を分析した。調査はIさんに対して一年半に渡り,5回の半構造化インタビューを行い,そのデータをSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析した。分析の結果,中国の大学の日本語授業とゼミ,日本の大学(院)の授業とゼミ,また,より大きな研究者コミュニティや学術コミュニティに参加することを通して,Iさんは学術コミュニティへの参加姿勢が能動的になったことが確認された。分析の結果に基づき,筆者らは学術コミュニティ間の移動が中国人日本語専攻生に何をもたらしたのかをアイデンティティ変容の側面から考察した。その結果,中国人日本語専攻生の持つ固有のアイデンティティに加え,日本語学習者と日本語使用者が統合された「日本語話者」,さらに大学院に進学することによるキャリア転換がもたらす「〇〇専門家」という多層なアイデンティティの獲得があったことが分かった。最後に,本調査結果を踏まえた日本語教育への提言として,「学習者と接する際の見方の転換」,「キャリア形成を踏まえた上での日本語教育」,及び「学びの実感を生み出す授業の工夫」という三つを指摘した。
電子メディアと匿名性のコミュニティ
森岡, 正博
本論文は、パソコン通信のフリーチャットに典型的に見られる、匿名性のコミュニケーションを分析し、電子架空空間で成立する匿名性のコミュニティの諸性質について論じる。その際に、都市社会学の観点からの分析を試みる。
カナダ,ノヴァスコシア州におけるフランス語系住民アカディアンの居住分布と言語使用状況
大石, 太郎 Oishi, Taro
この小論では、カナダ東部ノヴァスコシア州におけるフランス語系住民アカディアンの居住分布と言語使用状況を現地調査とカナダ統計局のセンサスに基づいて検討した。その結果、農村地域に古くから存在するアカディアン・コミュニティでは英語への同化に歯止めがかかっているとはいえない一方で、郁市地域であるハリファクスでフランス語を母語とする人口や二言語話者が増加していることが明らかになった。これまで教育制度の整備などの制度的支援の重要性が指摘されてきたが、カナダの場合、農村地域に古くから存在するフランス語系コミュニティには遅きに失したと言わざるをえない。その一方で、都市地域が少数言語集団にとって必ずしも同化されやすい地域ではなくなりつつあることが示唆された。
Diaspora Performing Arts and the Transnational Okinawan Speech Community
Miyahira, Katsuyuki
超多様性が日常化する現代社会において、社会言語学の基本的概念である「ことばの共同体(スピーチ・コミュニティ)」をどのように捉えるべきなのか。本稿ではハワイの沖縄ディアスポラ共同体が発信するYouTube ビデオシリーズ“ Yuntaku Live!”のインタビュー談話に注目して考察を行った。
沖縄の県外移住者の適応におけるソーシャルキャピタルの影響
加藤, 潤三 前村, 奈央佳 Kato, Junzo Maemura, Naoka
本研究は、沖縄に県外より移り住んできた移住者が、沖縄の社会やコミュニティにどのように適応していくのか、その適応プロセスについて、移住者のソーシャルキャピタルの観点から検討していくことを主目的とした。移住者26名に対する面接調査の結果、移住者は、沖縄のコミュニティ内において社会参加したり、ネットワークを形成していくなど、ソーシャルキャピタルを獲得していくことで適応を促進させることが明らかになった。特に、移住者が沖縄において形成するネットワークには機能差があり、ウチナーンチュとのネットワークは、移住者が沖縄の文化に同化したり、沖縄アイデンティティを獲得するために必要なものであるのに対し、本土出身者とのネットワークは、移住者が適応の過程で感じる様々なネガテイプな出来事や感情を緩和させるのに有効であることが示された。
Case Study of Rituals of Ancestors' Worship by an Okinawan Family in Sao Paulo, Brazil : Three Missas in One Day
Gushiken, Gabriela Tamy グシケン, ガブリエラタミー
祖先崇拝は,沖縄の移民家族によって海外でも行われている沖縄の伝統的な宗教の一部です。移民のプロセスは宗教の活動に影響を与え,受入社会の要素が組み込まれました。ブラジル・サンパウロ市に住んでいる沖縄からの移民家族が実践する祖先崇拝の儀式を観察し,参加することで民族誌的研究を行いました。本論は,祖先崇拝の実践における移民のプロセスの影響と,家族およびコミュニティのダイナミックスにおける実践の役割を調査することです。
学校運営協議会委員の属性・意識・行動に関する研究 : 質問紙調査の結果から
仲田, 康一 大林, 正史 武井, 哲郎 Nakata, Koichi Obayashi, Masafumi Takei, Tetsuro
本論文は、地域運営学校(コミュニティ・スクール)を対象に、その校長と学校運営協議会の委員に対して行われた質問紙調査の結果をもとに、学校運営協議会委員の属性・意識・行動に関して、基礎的な知見を得ることを目的としている。検討の観点としては次の3点を設定した。①「どのような人が委員になっているのか」,②「彼/女らがどのような意識を持ちまた行動し」,③「どのような成果を挙げているのか」である。これらについて、質問紙調査の単純集計結果を示していく。
琉球大学における環境マネジメントシステムの導入と持続可能な社会に向けての挑戦(前編)
伊波, 美智子 Iha, Michiko
地球温暖化問題やごみ問題などの環境問題解決の基本は、社会価値形成の基盤と\nなる環境教育と環境配慮行動を社会システムに組み込んだ環境管理システムの構築にある。それ自体ひとつのコミュニティであり、地域社会において指導的役割を期待されている大学が持続可能な社会をめざす環境経営のモデルを示すことは、大学の社会的責任でもある。本論においては、琉球大学において展開されてきたエコロジカル・キャンパス推進活動を「大学における環境活動の事例」としてまとめることを目的としたものである。本論の構成は、下記の通りである。
『広島大学日本語電話会話コーパス』 : 設計と現状
五十嵐, 陽介 廣川, 純子 IGARASHI, Yosuke HIROKAWA, Junko
『広島大学日本語電話会話コーパス』(COTCO-H)は現在開発中の大規模音声データベースである。COTCO-Hは,広島大学の日本語非標準変種の母語話者である50名の学生が2つのレジスター(出身地の友人との会話,キャンパスの友人との会話)で発話した電話会話を格納している。本コーパスには,約11万語(22時間)の音声信号に加えて,その転記および品詞や活用などの形態論情報が付与されている。分節音情報付与作業は現在進行中である。COTCO-Hにはさらに補助データとして同じ話者による読み上げ音声も含まれている。COTCO-Hは,地域や発話スタイル,自発性などの違いによる言語変異に興味を持つ研究者のコミュニティに貢献するものとなるだろう。
ハワイ日系移民の口語にみられる人称詞表現についての論考
平本, 美恵 朝日, 祥之 HIRAMOTO, Mie ASAHI, Yoshiyuki
本稿はオーラルヒストリー・データとしてハワイ大学マノア校に録音保存されていた資料を活用し,ハワイ日系移民コミュニティにおける方言接触の様相を人称詞の使用状況に着目して考察する。録音資料はおおむね明治中期から後期頃に,主にサトウキビ畑労働者として日本各地からハワイに移住した移民一世の男女の談話文(年をとってからのインタビューで採録)で構成されている。資料中の東北方言域出身者(福島・新潟両県。後発の移民で少数派)と中国方言域出身者(広島・山口両県。最初期の移民で多数派)の日本語表現を分析したところ,東北方言域出身者にも「ワシ,ワシら」など中国方言の人称詞使用のありかたが広まっていることが明らかになった。また,東北・中国の出身地を問わず,日系人の間では英語の借用語「ミー,ユー」が多用されていることも認められた。
カナダの英語圏都市におけるフランス語系住民の社会的特性 ―ノヴァスコシア州ハリファクスの事例―
大石, 太郎 Oishi, Taro
この小論では、カナダの英語圏都市におけるフランス語系住民の社会的特性を、ノヴァスコシア州ハリファクスを事例に、質問紙調査に基づいて検討した。その結果、ハリファクスのフランス語系住民は、高校卒業時点までは出生した州内に居住している割合が高く、高学歴であり、二言語能力を義務づけられたポストについている例が比較的多く、就業を主な要因としてハリファクスヘ移住している、という社会的特性をもつことが明らかになった。ケベック州出身者が多く、帰還移動の意思を持つ人も多いという点はコミュニティ発展の不安定要素といえるが、現時点ではフランス語系住民のこうした社会的特性が少数言語維持に対する制度的支援をより効果的にしており、カナダの英語圏都市における二言語話者の増加につながっていると考えられる。
市民活動を通じて被災地域に構築される新たな災害文化
廣内, 大助 Hirouchi, Daisuke
災害の被災地域では,災害の痕跡を保存することがよく行われている。これは災害の教訓を後世に伝え,再び同じ被害を繰り返さないためのものである。しかしこのことが地域の防災力をどのくらい向上させているのか考えると,非常に効果があると単純には言い難い。濃尾平野の輪中地域に代表されるように,本来災害にあわないために地域ぐるみでの工夫や仕組みが災害文化として存在した。これを受け継ぐことで,地域の防災力を維持してきたのである。水害リスクの低下と,コミュニティの崩壊によって,災害文化が受け継がれなくなった都市住民が災害に遭わないためには,現代の生活に合った新たな災害文化を創出し,受け継いでいく必要がある。河川流域を舞台に活動する市民団体の取り組みをヒントに,新たな災害文化の可能性について考えてみる。
新しい話者のための言語継承アプローチ:第二言語習得理論から琉球諸語の継承を考える
半嶺, まどか ズラズリ, 美穂
本稿では,まず危機言語の保存と言語継承の目的についてまとめ,危機言語コミュニティにとってどのようなアドボカシー(擁護や代弁)が必要かを考察した。また,他の文脈での先行研究と照らし合わせながら,琉球諸語の文脈での言語リクラメーション(再生・再獲得)の必要性や可能性について考えた。さらに,琉球諸語の文脈で今後必要となる学際的連携について考察し,現状の課題を指摘した。次に,既存の母語話者,非母語話者という二分化や単純な言語運用能力による話者の区分や描写の仕方がどのような問題を孕むかを指摘し,新しく琉球諸語を学び始めている世代を「新しい話者(new speaker)」という概念を用いて可視化した。また,彼らの支援に必要な要素を第二言語習得理論に基づいて提案した。最後に,本共同研究プロジェクトを通して実施したい研究計画として,新しい話者と研究者が連携する言語記録活動の方法論の提案,Galtungのトランセンド理論に基づくインタビューの継続,「無意識のバイアス(unconscious bias)」「立場性(positionality)」「継続的な再帰的振り返りの実践(reflexivity)」に関する継続教育(CPD)の機会創出について述べた。
記録管理を支えるもの ―草創期のオーストラリア・ヴィクトリア州を事例として―
藤吉, 圭二 FUJIYOSHI, Keiji
オーストラリア・ヴィクトリア州の公文書館PROV:Public Record Office Victoriaは1990年代末に電子記録管理の標準であるVERS:Victorian Electronic Records Strategyを発表し推進していることにより、アーカイブズの世界では広くその名を知られている。電子文書をベースにした業務遂行の比率が年々高くなりつつある現在、これは参考にすべきひとつのモデルである。しかし注意しなければならないのは、VERSの背景には連綿とつづく紙ベースの文書管理の組織文化がPROVおよびヴィクトリア州政府にそもそも一定以上のレベルで根づいている状態があるということである。入植初期の時期のヴィクトリアにおける政府や民間の記録や文書をめぐる動きを見ると、そこには(1)組織活動に関して組織外部に報告しなければならないという必要性、(2)組織活動に関して複数の部署にまたがって情報を共有しなければならないという必要性、(3)組織、とりわけ政府に蓄積されてきた記録や文書をもとに歴史意識やコミュニティのアイデンティティを補強したいという欲求が強く働いていることかわかる。VERSについて考える場合にも、電子記録の問題だけでなく、このような記録や文書をめぐる組織文化のあり方にも注意を払う必要がある。
在日ベトナム人コミュニティのイメージ
北山, 夏季
文化遺産を受け継ぐコミュニティのあたらしいかたち : 機関研究 : 「マテリアリティの人間学」領域 文化遺産の人類学 : グローバル・システムにおけるコミュニティとマテリアリティ (2013~2015)
飯田, 卓
アーミッシュを訪ねて 2 : 信仰と家族・コミュニティ
鈴木, 七美
「コミュニティネットワーク」への欲望を解体する
木村, 忠正
グローバル化とエスニシティ:エスニック・コミュニティの形成
田嶋, 淳子
福祉コミュニティづくり : 人類学の応用について
宮下, 克也
アーミッシュたちの生き方 : エイジ・フレンドリー・コミュニティの探求
鈴木, 七美
ネパールの国立公園と住民の生活権 : 漁撈コミュニティの社会運動
Minami, Makito
ソースコミュニティの人々のための博物館資料熟覧
シオウテワ, オクテイビアス イノーテ, ジム
「コミュニティ」とは何か : 地域SNS をめぐる政策から考える
原, 知章
エスニック・コミュニティと個人の「力」 : 洪昌守のトロフィーをめぐって
前田, 達朗
北アリゾナ博物館におけるソースコミュニティとの所蔵資料管理
ブルーニグ, ロバート
The Changing Character of Ethnic Organizations of the Okinawan-Brazilian Community : Analysis of the Data from the 6th Worldwide Uchinanchu Festival
Meireles, Gustavo メイレレス, グスターボ
移住者は、ホスト社会に適応する際、エスニック・アイデンティティの保存とコミュニティの継続を促進し、脅威と思われる行動に対して防衛を図る。その過程において、共同体を代表する団体の設立につながる移住者の団結とネットワーク形成が見られる。文化とアイデンティティの維持がエスニック組織の主な役割とされているが、こういった団体はメンバーの定住過程にも大きな影響を与えている。エスニック組織というのは、文化・エスニック・アイデンティティの意識を共有する構成員によって設立されるものである(Sardinha, 2007)。そして、エスニック組織の活動は社会、レジャー、政治、文化、宗教、就労といった、様々な分野に広がる。本稿では、まずブラジルにおける沖縄系エスニック組織の発展過程を分析した。その過程を理解した上で、第6回ウチナーンチュ大会のデータに基づいてそのエスニック組織の実態と将来の展望を検証した。沖縄文化の維持と沖縄県とのつながりに関して、世代的な相違が見られた。若い世代は、日常生活において文化や言語力(うちなーぐちと日本語)の維持に消極的である。さらに、沖縄に関する情報源として、エスニック組織(県人会)よりも、インターネットやソーシャルメディアが多く挙げられた。多くの組織が沖縄県との交流プログラムを通じて若い世代の参加を促そうとしてきたが、その効果はまだ確かではない。本稿で取り上げる事例を見ても、交流プログラムの効果に疑問は残るが、世代交代によって生じる問題の対策として、ブラジルと沖縄に住む若い世代の交流が鍵となる可能性を示唆する。ブラジルの場合は、世代交代が進み、若い世代がブラジル社会に同化する傾向が強く、エスニック組織の維持継続はトランスナショナルなつながりにかかっている。ウチナーンチュ大会や日伯の若い世代の交流プログラムのような施策はブラジルにおける沖縄系エスニック組織の継続を促進する可能性を秘めている。
外国語から移民言語へ : 共同研究 : 日本の移民コミュニティと移民言語 (2010-2013)
庄司, 博史
タイのコミュニティ博物館についての一考察 : 博物館か,寺院か?
平井, 京之介
日本に居住する外国人の多言語使用の諸相 : 在日パキスタン人コミュニティを事例に
福永, 由佳
地域SNS の日記コミュニティ : 「書くこと・読むこと」が紡ぐローカル・ネットワーク
Sugimoto, Seiko
「文化化」のプロセスから捉える「しまくとぅば」の継承 -ニュースピーカーのライフストーリー研究から-
宮城, 朋世
本研究は、「先住民の方法論」(indigenousmethodologies)の視点に立ち、「しまくとぅば」ニュースピーカーの継承プロセスを「文化化」(enculturation)の視点から考察し、「しまくとぅば」を再生する意義を社会的機能の側面から捉え直すものである。「文化化」は、歴史的に抑圧された経験を持つ先住民コミュニティにおいて自身のルーツの文化的要素とつながり、そこに意義を見出していく脱植民地化のプロセスの一つとされる。本研究では「文化化」のプロセスが「しまくとぅば」継承の文脈においてどのように見られるのかをライフストーリーとして記述し、さらに、それぞれの語りをSCAT(StepsforCodingandTheorization)を用いて分析することで、「文化化」を軸にした「しまくとぅば」の継承プロセスとその機能を概念的に捉えることを目指した。また、その分析結果をもとに、今後「しまくとぅば」の継承アプローチとして重要と考えられる視点を考察した。研究の結果「文化化」のプロセスから「しまくとぅば」の継承を捉えると、ニュースピーカーには主に三つの社会的機能があると考えられた。一つは、自分らしさの獲得といったような、エンパワーメントの側面であり、二つ目は家族や身近な話者とのつながりの充実であった。そして三つ目は沖縄に対する関心の高まりと社会参画意識の高揚であった。そして分析の結果、ニュースピーカーの「しまくとぅば」継承の軸となっている要素は「沖縄」という集団的アイデンティティに対する思いよりも、極めて個人的な経験であると考えられた。したがって、ニュースピーカーの継承プロセスとして最も重要なことは身近な話者と「しまくとぅば」を介したつながりをもつことであり、世代間のつながりの中に「しまくとぅば」が意味づけされることが重要であると結論づけた。また、身近に話者がいなくなることが想定される将来的には、本研究で提示したような社会的機能に価値を見出すことが必要になると考察した。
インド・ムスリムの生業における親族と姻族ネットワークの重要性 : グジャラートの染色コミュニティの事例
金谷, 美和
グローバル支援の時代におけるボランティア : 青年海外協力隊の「コミュニティ開発」ボランティアをめぐって
白川, 千尋
[研究ノート] 阿波踊りの観光化と「企業連」の誕生
高橋, 晋一 Takahashi, Shinichi
本稿の目的は,阿波踊りにおける「企業連」の誕生の経緯を阿波踊りの観光化の過程と関連づけながら検討することにある。とくに,阿波踊りの観光化が進み,現代の阿波踊りの基盤が作られるに至る大正期~戦後(昭和20年代)に注目して分析を行う。大正時代には,すでに工場などの職縁団体による連が存在していた。またこの頃から阿波踊りの観光化が始まり,阿波踊りを会社,商品等の宣伝に利用する動きが出てきた。昭和(戦前)に入ると阿波踊りの観光化が進み,観光客の増加,審査場の整備などを通して「見せる」祭りとしての性格が定着してくる。小規模な個人商店・工場などが踊りを通じて積極的に自店・自社PRを行うケースも出てきた。戦後になるとさらに阿波踊りの観光化・商品化が進み,祭りの規模も拡大。大規模な競演場の建設と踊り子の競演場への集中は,阿波踊りの「ステージ芸」化を促進した。祭りの肥大化にともない小規模商店・工場などの連が激減,その一方で地元の大会社(企業)・事業所の連が急激に勃興・増加し,競演場を主な舞台として「見せる」連(PR連)としての性格を強めていった。こうした連の多くは,企業PRを目的とした大規模連という点で基本的に現在の企業連につながる性格を有しており,この時期(昭和20年代)を企業連の誕生・萌芽期とみてよいと思われる。なお,阿波踊りの観光化がさらに進む高度経済成長期には,職縁連(職縁で結びついた連)の中心は地元有名企業から全国的な大企業へと移っていく。阿波踊りの観光化の進展とともに,職縁連は,個人商店や中小の会社,工場中心→県内の有力企業中心→県内外の大企業中心というように変化していく。こうした過程は,阿波踊りが市民主体のローカルな祭り(コミュニティ・イベント)から,県内,関西圏,さらには全国の観光客に「見せる」マス・イベントへと変容(肥大化)していくプロセスに対応していると言える。
国立民族学博物館収蔵 「ホピ製」木彫人形資料熟覧 ソースコミュニティと博物館資料との「再会」1
伊藤, 敦規
高度成長期下の都市計画とまちづくりの現在 : 新潟県村上市「町屋の人形さま巡り」に見る家屋空間の再編成と公共性
矢野, 敬一 Yano, Keiichi
高度成長期以降,中小小売業では近代化政策が推し進められていった。商店街地域を改造して街ぐるみの近代化を図ることによって,商業の振興だけでなく都市整備も図ろうとするのが眼目である。そうした政策を貫くのは商業の効率性,合理性を高めようとする論理である。新潟県村上市での商業政策もこうした路線に即したものであり,その近代化事業は街路事業と深くかかわっていた。自動車社会を見越し,道路拡幅によって商店街の近代化を図るべく期待が寄せられていく。そうした中で近年,ようやく市内中心部の商店街を貫く都市計画道路の計画実現へと事態が動く。しかし道路拡幅は一方では道路に面した数多くの町屋の破壊をも意味していた。そこで道路拡幅をせずに,町屋を活用してまちづくりを図ろうという主張が打ち出された。そのために町屋の魅力をアピールするイベント,町屋の人形さま巡りが立ち上げられた。訪れる者に商店の内部空間を開放し,茶の間に展示した数多くの人形や道具類を見てもらうのがその趣旨である。具体的にその展示の様相を見ると,数多くの人形や道具類が所狭しとばかり,室内に飾られていることが大きな特徴である。その展示は審美性を重視し,スペクタクル性や見て楽しむ遊戯性が感じられるという点で,効率重視の高度成長期的な価値観とは異なる。人形が展示されている茶の間とその周辺の通り土間を他者との関わりという観点からみると,過去と現在とでは大きな違いがある。商売の場とはいえ,主に面識ある者への接客中心だったかつてと異なり,市外からも訪れる幅広い客層を迎えてふれあい交流する場として,現在では活用されるように変化した。公と私との中間領域としての性格を活かし,より開かれた空間としての利用が図られているのだ。町屋の人形さま巡りは,新たな公共性に向けた回路として作動しているわけである。高度成長期の論理とは異なる,コミュニティの再生を目指すまちづくりの論理がここには見出せる。
民主党政権におけるコミュニティ・スクール政策の特質 ~「熟議」概念の多様性に注目して~
後藤, 武俊 Goto, Taketoshi
再創造/想像されるエスニック・コミュニティと文化 -ハワイ日本文化センターの売却問題を事例として-
森, 仁志 Mori, Satoshi
学習機会の提供を中心とするコミュニティ再生への取組-埼玉県三郷市を事例として-
後藤, 武俊 Goto, Taketoshi
新型コロナウイルス感染症流行中のオンラインイベント<特別研究 : デジタル技術時代の文化遺産におけるヒューマニティとコミュニティ>
飯田, 卓
移民の識字問題 : 多言語サービス、日本語指導、母語教育、そして? : 共同研究 : 日本の移民コミュニティと移民言語 (2010-2013)
Shoji, Hiroshi
学校教育の学習コミュニティを拡大する交流授業の試み ~異学年や異校種間の遠隔共同交流学習を通して~
真喜志, 昇 Makishi, Noboru
ソースコミュニティが作る次世代のためのデータベース<基幹研究 : セネガルにおける諸民族文化の映像記録を題材とする情報強化>
三島, 禎子
ポストリドレス期の「日系コミュニティ」と日本人移住者:西部カナダにおける移住者の文化的帰属感を中心に
下茂, 英輔 Shimo, Eishuke
<書評>ベヴァリー・カレン、佐藤=ロスベアグ・ナナ、田辺希久子編『現代日本にみる複数の翻訳コミュニティ』
ナバーロ, M・テレサ・ロドリゲス 片岡, 真伊
人とモノを媒介する場所という視座<共同研究 : 不確実性のなかでオルタナティヴなコミュニティを問う : モノ、制度、身体のからみあい>
森, 明子
アフリカのスラムにおいてサニテーション価値連鎖をいかにデザインするか:「健康価値」に着目したザンビア、ルサカにおける地域コミュニティの活動を事例として
林, 耕次
地域コミュニティをめぐる映像の分析 : 住民と研究者は,日常生活の何を写し,何を写さないのか<特集 : 「デジタル写真データベースが拓く学術活動の未来」>
原田, 健一
歴史の中のストリートとトランスローカリティ : 歴史と記憶を生きる眼差しから見る現代の場所性 : 歴史の中のストリート概念の変遷 : 近代を相対化する深い場所(垂直性) : ストリートとコミュニティ : 博多の事例から考える
竹沢, 尚一郎
経済的ショック、HIV/AIDS、旱ばつへの農村世帯とコミュニティのレジリアンス ― ザンビア・チパタ県ムワニ地区の世帯とコミュニティの事例
Mulenga, Chileshe L. Mulenga, Chileshe L.
国際金融機関の指導の下に経済政治改革を実施したサブ・サハラアフリカ諸国の農村経済は、「厳しい、障壁がある、難しい、困難である」等と言及されてきた。これら農村経済は、衰退と住民の貧困増大を経験してきた。その結果は、政策改革で期待された結果とは異なり、国家レベルではその改革のせいだと考えられていたものとも異なっていた。国レベルでは、政治改革は国家経済を安定化させ、過去10年の間に平均5%の安定した成長を達成させることに貢献した。
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